私がパーソナリティを務めております北海道FMノースウェーブ「美麗(メイリー)!台湾」。2020年3月に開催予定だった台湾リスナーツアーが、コロナ禍の影響で中止されてはや3年。ついに実現いたしました。
ツアー初日、桃園空港に着き、バスで台北市内に向かっている時、車窓に台北101が見えた瞬間、車内に歓声が上がりました。更には久しぶりに台北の街並みを見て「泣きそう…..」という声も。皆んな何年も待ち焦がれてたんだなぁ、と、私もしみじみしてしまいました。4日間、皆様が楽しんでくださって、この企画を実現できて本当に良かったです。
数年ぶりに会うリスナーさんがいたり、ラジオネームと顔が初めて一致して歓喜したり。ラジオってええなぁ〜♨️ と、改めて感じました。相方DJの伊藤沙菜さんに台北をやっとご案内できましたし、感慨ひとしおです。
燃油サーチャージ爆騰、相変わらずの円安の中で、ツアーに参加いただいた方々は、めちゃくちゃ大切にしなければならないVVIPです。我々は短期急成長を志向するベンチャーではなく、長期安定成長を志向する中小企業ですから「演歌の戦略」はとてもしっくりきます。規模拡大を希求するのでなく、いまのファンを全力で大切にしていきたいです。
さて、そんな敬愛する木下勝寿社長率いる北の達人が、私がパーソナリティを務めるFMノースウェーブを2年ほど前に買収しました。それまでの筆頭株主は新千歳空港系の広告代理店。親会社が地元交通インフラの会社から、日本最高のマーケター率いる東証プライム企業に変わり、最近は毎月札幌のスタジオに伺うたびに、社内の随所に変化を感じます。
木下社長とは去年、誕生日祝いに東京で飲みに連れてってもらいました。木下社長はノースウェーブの社内向けメッセージとして「自分たちをラジオ局だと思わないでください」とおっしゃったそうです。ラジオ番組をつくっているだけで満足するな、売り物はラジオCMだけだと思うな、”公共の電波”という強力な武器を活かして、新しい価値をどんどん創造していこうという事です。
また、この表現がさすが上手いなと唸ってしまったのですが「放送業界の”旭山動物園”になろう」とも。ノースウェーブは北海道のラジオ聴取率において、他局の後塵を拝しています。ぼくもたまに他局の番組に出演しますが、やはり業界トップの局とは社内の気迫、内圧が違う気がします(すみません泣)。木下社長の考えは、もちろん今後も聴取率で更なる高みを目指すが、地方の後発局ならではのアイディアで、マーケティングの力でより多くのファンを魅了しようというものです。
そして徹底的に粗利率を意識するという事。自分も以前テレビ局にいて痛感したのですが、テレビ業界やビール業界など、参入プレイヤーが少ない寡占市場においては、利益よりも売上のトップラインを上げる事、そして何より業界シェアが重視される傾向が非常に強く「採算は後で良いから、シェアを取りに行け」が常であり、逆に「その仕事の粗利はいくらなのか?」という、商売では最も基礎的な基本のキが、本当に軽視されがちです。最近はビジネス書籍を出せば売れる木下社長の、最初の著書のタイトルは「売上最小化、利益最大化の法則」。「儲からん仕事はするな」という商売の基本を、メディア業界に注入されてます。
ぼくは前職在職時から「放送業界の活路はデジタルと海外」とずっと思っていて、今もそれは変わってないのですが、実際いま私のラジオ番組のリスナーさんは約半分が北海道外在住、つまり電波でなくradikoで聴いてもらってます。そして北海道の魅力が海外、特に中華圏で不動であることは、言うまでもありません。
北海道の後発ラジオ局が売上・利益で東京のラジオキー局を上回る、そんな未来を期待しつつ、その一助になれればなと思いつつ、今後も”リスナーファースト”で、美麗!台湾を続けていきます。
緑の翼で帝都へ帰投します!