毎日放送の前田阿希子アナが日本酒ソムリエと結婚し、ドバイに移住!
かねてより、唎酒師の資格を取ったりスポニチで日本酒コラムを執筆したりと、日本酒の普及に心血を注いで来た前田アナ、良縁のきっかけとなったのもやはり日本酒だったそうです。
おめでとうございます!
さて、前田アナとわたくしは、実は”(幻の)入社同期”であります。わたくしは朝日放送にいましたが、元々は毎日放送に入るはずでした。彼女はアナウンサー職、わたしは総合職と別々ですが、内定が出たのは同じ日でした。本社に呼ばれ、内定承諾書にサインし会社を出た瞬間、前田アナが声を弾ませながら、ゼミの教授に喜びの電話をかけていたのを覚えています。
前田アナはじめ同期の皆とは、内定者懇親会などで翌年からのお互いの健闘を誓い合いました。しかし、わたくしはただ一人、取得単位不足という不慮の事故により留年し、内定を取り消しにされ、入社できなかったのです。
忘れもしない、入社を目前にした3月、奈良の実家から、一本の電話がかかってきました。
オカン「アンタ、成績表届いて”原級”って書いてあるけど、これ大丈夫やねんな?」
全てが終わった瞬間でした。
ワテ「オカンすまん。それな、アカンやつや….」
終戦。無条件降伏。
「ウソやろ?お願いやからウソやって言うて…泣」と嘆く母の電話を、強引にブチ切りしました。ワテには、果たさねばならぬ重要なミッションがあるのです。そう、内定先に留年報告。
恐る恐る毎日放送の人事部に電話しました。なかなか発信ボタンが押せませんでしたが、意を決してかけました。
「すいません。自分、やらかしました…..」
不思議な事に、お世話になった人事部の方(元・人気女子アナ)のリアクションも、オカンと同じでした。
「ウソでしょ?ウソだって言って…泣」
すみません、残念ながらウソではございません。武運つたなく、玉と砕けました….。
当然怒られまして、後日会社へ出頭命令をいただき、人事局長&人事部長と面談しました。
部長「残念だけど内定は取消しになるわ。それに次年度の採用試験も既に始まってるから、かわいそうだけど再エントリーも間に合わない。吉田君どうする?何とかしてあげたいけど、こればかりは….」
何て優しいんだ局長と部長。確実に灰皿くらい投げられると思ってましたが、めちゃくちゃ親身に話をしてくれました。この方々の心の広さは宇宙でした。
しかし確かにその時すでに3月も半ば。マスコミは採用時期が早いので、今からでは確実に間に合いません。
ワテ「あ、朝日放送に行こうかと….」
部長「は?どうゆうこと?」
ワテ「た、た、大変申し上げにくいのですが….あさってが朝日放送の最終面接でして….」
局長&部長「!?」
実は、4年生最後の期末試験を終えた時点で「あ、これもしかしたらガチでやばい。。」と察知したわたくしは、毎日放送内定者でありながらその身分を隠し、ライバル局である朝日放送の翌年入社試験を、水面下でステルス就活しておりました。
部長「何だそれ!何がどうなったらそうなるんだ!?」(呆れ気味)
ワテ「すすすみません…….もしかしたらダブるかもという、わたくしなりの危機感がありまして密かに面接を……」
2人同時「危機感があったら最初から勉強しとけ!」(←超絶正論)
局長「で、どうすんの?受かったら朝日に行くの?」
ワテ「も、もはや御社に入れないとなれば是非もないかと………..」
わたくしのこの告白には、局長も部長もさすがに呆れておられました。しかしながら最後には笑顔で送り出してくれ、最後に会社の近くで鰻重までご馳走になってしまいました。何度も言いますがほんまに心の広さは宇宙でした。
そして二日後、わたくしは朝日放送の最終面接に臨みました。役員がわたくしのエントリーシートを眺めながら
「好きな番組に”情熱大陸”(註:毎日放送製作番組)って書いてるけど、毎日放送は受けてないの?」
と聞かれた時、ステルス就活中の私は「だ、ダメでした!(内定取り消しで)」と声が裏返りましたが、無事に朝日放送から内定をいただきました。嘘は言っていないつもりです。まさに九死に一生を得たと言えます。
それ以来、前田アナには会ってません。わたくしが大学5年生になり、日吉で取りこぼした単位を必死にかき集めている頃、前田アナはあっという間にテレビやラジオで人気者になり、遠い存在になってしまいました。
ドバイに移住されたらもっともっと遠い存在になると思いますが、同じく日本酒を愛する身として、前田アナのご多幸を(勝手に)祈念しております。